これは、このホルモンの変動がつわりの症状の現れる時期に一致していたり、双子や胞状奇胎などhCGのレベルが高い場合には症状がひどくなったり、流産などでhCGのレベルが低くなるとつわりが楽になったりすることから推察されていることです。
したがって、軽いつわりは病気ではありませんが、その程度がひどく食べ物はおろか水も十分飲めないほどになってしまったら、妊娠悪祖という病気です。
つわりの症状はひと様々ですが、ほとんどの場合、空腹で吐き気が強くなります。かといってたくさん食べると吐いてしまいますから、コツとしてはこまめに少量ずつたべることです。特に夕食から朝食までの時間が長いと朝の吐き気が強いですから、食べられるなら夜中におにぎりを少しつまむのも効果的です。
日中の仕事中にはなかなかこまめに食べるのは難しいでしょうが、プリンでも、ゼリーでも、チョコレートでも、早弁でも何とか口にするといいでしょう。上司に説明が難しければ、このコラムを読んでもらって説得してください。
さて、上司のせいではなくて、吐き気が強くて食べられない時にはどうすればいいでしょう。つわりは病気ではないから根性で我慢する?いえいえ、つわりは侮りがたいものです。病院で治療を受け、場合によっては入院もあり得ます。確かに、つわりの時期の胎児はまだ小さくて発育するのにそれほどのカロリーが必要なわけではありませんからお母さんがたくさん食べる必要はないのですが、水とビタミンは重要なのです。
ビタミンの中でも特に重要なのは葉酸。葉酸はアミノ酸や核酸の合成に必要となる補酵素であるため、胎児の発育には重要で、その欠乏症は神経管閉鎖障害をはじめとする胎児異常や流産の発症リスクを増加させるといわれています。その必要量1日0.4mgの葉酸を野菜で摂取しようとすると350g程度必要で、この量は働いているつわりの女性にとってはなかなか食べられる量ではないかもしれません。そこで、いわゆる栄養補助食品から1日0.4mgの葉酸を摂取することが推奨されています。
もう一度繰り返しますが、つわりは侮りがたいものです。あなただけの問題ではなく、胎児にも影響する場合があります。つわりでも遠慮なく医師や助産師に相談しましょう。
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